【実話】闇金の取り立て手口
当サイトは数年間にわたり闇金業者の被害に遭われている方の被害相談を受けてきました。その生々しい内容はそのまま書くことはできませんでした。しかし今回、
「闇金から借りると実際のところどんなことが起こるの?」
という素朴な疑問を頂いたことから過去、現在の業者のやり口を記事にしてみました。どれも本当にあったことであり空想や他のブログからの記事引用等ではありません。
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◆闇金は家にくるの?
ミナミの帝王、闇金うしじま君などで闇金の情報を知った方の多くがこの点を気にします。しかし実際に今の業者が被害者の家に来ることはまずありません。なぜそこまでいいきれるのか?実に簡単です、捕まるからです。
そもそも貸金業登録をしていない業者の総称を「闇金融」といいます。利息が高いから悪徳業者ということではないのです。
登録をしなければ貸金業違反になります。闇金対策法によると無登録営業による罰則は下記となります。
無登録営業 ⇒ 5年以下の懲役、1千万円(法人の場合1億円)以下の罰金
悪いことをしている人物が法人を立てるというのは少しおかしな話ですから実際には個人対象で刑事罰に処される重たい犯罪です。また高利貸つまり、決められた上限金利を超えて貸付をしているソフト闇金はもう1つの罪が重なります。
高金利違反 ⇒ 5年以下の懲役、1千万円(法人の場合3千万円)以下の罰金
1つの法律に違反するだけではないこうした知的犯罪は警察も本腰を入れて捜査します。例えば無登録営業で逮捕、拘留しますがその業者が高利貸も行っている場合、再逮捕として新たに高利貸についても立件をするということです。たいへんに重たい罪になるわけです。そして無登録営業の段階で捕まったら何を言おうと貸金業登録が無いので逃げることはできません。そこで現代の業者は捕まらないように悪事を働きます。
自宅にコワモテで出向くと言うことは相手に自分たちの存在を相手に知らしめる行為になり、その場に警察官を呼ばれれば緊急逮捕もあるのでリスクが急激に高まります。知的犯罪は組織行動が主ですから当然、自分だけの話しではとまらないことになります。組織全体に迷惑がかかることにもなりかねないわけです。従ってリスクのあることはしない方向になってきたのです。
警察に相談をされた方ならわかると思いますが警察でも基本、
「闇金業者は家には来ないよ」
とアドバイスしてくれます。しかし、当サイトに寄せられた相談の中に実際に自宅のインターホンが鳴ったというケースが出てきたのです。
・被害者が別被害者宅に行く
見出しでわかったかと思いますが業者が直接出向いたわけではなく被害者が別の被害者宅に行って業者の思惑を伝えると言う事態が発生したのです。ただこの手法、根づきはしませんでした。考えればすぐにわかることなのですが被害者同士が結託して警察に駆け込んでしまうからです。業者は何でも出来る!ということを鼓舞したかったのだと思いますが実際には逆効果だったと言うことですね。
◆勤務先への電話
現在の業者が取立行為でおこなうもっとも一般的なやり口が「電話」です。ほぼ100%と言ってもよいと思います。むしろ電話以外の取立は昨今ではほぼ無いと言ってもよいかと思います。以前の「お悔み電報」といった嫌がらせもNTT側で対策がしっかりとなされ、明らかに悪意ある場合、メッセージの受け取りを拒否するようになったことで取り立て手口から外れました。
その代わりに台頭してきたのが勤務先への電話攻撃です。1度や2度の電話連絡であれば社員のみなさんが守ってくれますが派手な業者になると時間当たり30本、50本と電話してきて口に出すのも恥ずかしいような発言や明らかな脅迫発言を繰り返します。
特徴としては電話口にでた人物に嫌がらせをするという点です。昭和の取り立てからありましたがそれがさらに悪化しているのです。例えば、
「お前の名前を教えろ、かばうならお前も同罪だし不幸なことになっちゃうかもね♪」
「ウソがバレた時の事をかんがえるとどんなことしてお前を追い込むか考えるだけでヨダレがでるわ」
と明確な言葉廻しはせず心理的に想像を掻き立てるような発言を繰り返します。しかし闇金業者の押しの強い言い方、人を上目線でみるような声で言われると面識のない方には大変な恐怖になります。
これらの行為は当たり前ですが違法です。闇金対策法でもしっかりと書かれています。
正当な理由のない夜間の取立て、勤務先等居宅以外への電話や訪問、第三者への弁済の要求など行ってはならない取立行為の具体例について、法律で明確にされるとともに、罰則も引き上げられました(無登録業者の行為も罰則の対象となります)。
- 罰則の引上げ ⇒ 2年以下の懲役、3百万円以下の罰金
先の無登録営業、高利貸と併せてさらにこの罪も加算されることになります。罰金にしても懲役年数にしても相当な年数になりますね。しかし他に手がないため現在でも会社への電話攻撃は闇金が行う一番、性質の悪い攻撃であると言えます。
闇金問題を解決すると言うことは会社など第三者への取立行為をどうやって無くさせるかということと同義であるとも言えるのです。
◆ピザ、そば、救急車
少し前に流行った手法ですが一部の悪徳業者では現役の嫌がらせです。具体的に説明すると自宅に第三者を呼びつけ近隣住民に迷惑をかけるやり口です。
24時間のピザの宅配、そばの出前を被害者名義で注文します。人が死んだので10人前でお願いします、などと大量の注文とセットにすることで恐怖感を演出します。もちろん被害者本人が頼んだわけではないので配達してきた方にその説明をします。しかし、配達者は善意の第三者な訳ですから事の次第がどうあれ面白くはありません。
ピザ会社等はしっかりとしたデータベースを持っていますからあまりに悪質な場合はブラックリストいりしてしまいます。本当にピザが食べたいと思ってもやんわりと断られてしまうような弊害も出てきます。ただ最近では電話番号の履歴をしっかりと取るようにしているため本人だと名乗ってもNG番号リストが確立してきているため電話番号が表示された時点でその人物からの注文がNGになるようになってきたため成功率は減少しました。救急車や消防車についても会話を録音するようになってきましたからリスクが発生します。
先に申し上げましたが違法業者はリスクを嫌います。声を録音されれば警察からの捜査時に人物の特定に録音データを使われる可能性もあるわけですからそんなところに電話する機会も減りました。ではこのやり口はゼロになったのか?といわれればそうではないんです。
葬儀会社に電話をするようになってきたのです。葬儀会社は基本24時間体制です。人の生き死には時間では図れませんからこういう業務形態になるのは必然です。そして消防車や救急車といった国のシステムではありませんのでそこまでバックグラウンドがしっかりしているわけでもありません。ここに目を付けたのです。
夜中に被害者の名前を名乗って電話するケースもあれば両親が無くなったと言って自宅に呼びつけることもあるようですが、業者ごとに若干の差異があるように思えます。いずれにせよ、黒いスーツをきた葬儀会社の営業マンが夜中にピンポンを押してくるわけですから相当な恐怖です。今年に入ってもこの手の嫌がらせ、取り立て行為の被害者からの相談電話がかかってくることから絶滅した手法ではないことがわかります。
◆子供がいる方は注意
最悪のやり口について記載しておきます。申し込みをした後に電話がかかりそこで情報の肉付けをするのが今の業者のやり方です。その際、子供の情報を聞き出し教えてしまっている方は特に注意が必要です。
主婦の方など収入がない対象者の場合にこのような聞き出しがあるようです。子供の年齢や学年、名前を聞かれている場合はその情報をもとに小学校など学校に電話をかけてくることが報告されてきました。学校名を言わなくても関係ないのです。彼らは被害者の住んでいる住所をgoogleマップで調べて近隣の小学校など教育施設を探し出して電話をかけてくるのです。
学校の担任を出せといい、貸した金を返さずに逃げ回って電話にも出ないのでほとほとまいっている。先生からも電話に出るように伝えてもらいたい。
とこんな感じで連絡をしてくるようです。たいていの先生はその人物がまっとうではないことを理解しそれとなく被害者に連絡をしてくるのですが、勤務先への電話と同様に何度もしつこくかけてくるようだと先生方も助けてくれなくなります。
「申し上げにくいですがこの手の家の問題を学校に持ち込まないで頂けますでしょうか」
とやんわり指摘されるようです。そしてこの手の問題はあっという間に学校中に知れ渡りますのでそれ以後も別の問題が発生するなど尾ひれが長くなってしまい学校を転向せざるを得なかったという被害者相談もありました。子供に学校に電話をするなどおよそまともな人間のすることではないと思いますがそれが効果的だとなれば何も考えずに実行してくるのがこうした闇業者なのです。
◆緊急連絡先への電話
携帯電話やアイパッドなど商品をだまし取る詐欺系闇金融サイトではなくなってきましたがソフト闇金サイトでは未だに主流の取り立て行為です。
申し込み時に会社情報と併せて緊急連絡先と称して2人程度の連絡先を聞き出してきます。本人に連絡が取れなくなったり何か問題が発生した時だけ電話するから安心してほしいなどと、なだめすかして聞き出しますがトンでもないことです。実態は、被害者が電話に出ないときの追い込み先電話番号として使われるのです。これも闇金対策法で厳しく禁じられています。
もちろんそんなことは100も承知のヤミ業者ですから正論を言ったところで何の効果もありません。そして問題は深刻化していきます。勝手に自分の電話番号を闇金業者に教えられた人物は烈火のごとく被害者を攻め立てるようです。知らない電話番号から電話が複数かかってくるなど営業電話もかかるようになってくるケースも確認されております。被害者との人間関係も破綻してしまうことも少なくは無いようです。特に仕事の上司や関係先など全く肉親と関係のない人物だったりするとその傾向は顕著化します。
これも全ては周りの人物に迷惑をかけ続けることで被害者の立場が悪化することを狙った狡猾なやり口なのです。
■どうすればよいか
違法金融の悪辣な取り立てについて今昔を説明してまいりましたがこの先も新しい手口が登場してくることが予想されます。そして闇金、違法業者と分かっていながら付き合うこと自体が問題になる世の中になってきました。悪いことと知っていて手を出せばあなたにも責任がありますよということです。
こうした悪質な取り立て行為から身を守るにはどうすればよいか?ということを記載して今回の記事を終了したいと思います。
・警察への相談
何においてもまず警察にしっかりと相談することが大切です。その際、しっかりと話が出来るように相手の情報を出来る限り簡潔にまとめておいてください。最低でも相手の業者名、担当者名、かけてきている電話番号、言われた発言くらいは用意しておくことです。感情に任せてしまうと警察官も理解が出来ずにおざなりな回答になってしまうからです。
相談先は警察署の「生活安全課」という部署になります。話が深刻化している場合は知的犯罪の部署に案内されることもありますが怖がらずにしっかりと自分が受けた行為について発言をすることが大切です。
・法律事務所への相談
自分で何とかできる、費用を発生させなくても自己解決できる、など知識を伝授するブログ等があるようですが当サイトでは法律事務所の介入こそが自分でできる唯一の解決策であるとの見解です。
相手の取り立てに対して周りの方々が寛容であれば諦めるまでじっと亀のように耐えればよいと思いますが実際はそこまで人は優しくありません。当たり前だと思いますが普段の生活をしていれば犯罪者と関わることなどないのです。それがある日突然、自分の関係のないことで犯罪者から怒鳴られ、なじられ、脅迫されるわけですからたまったものではないわけです。その怒りの矛先は誰言うことなく被害者本人に向けられるのです。それが業者の狙いだから当然ですね。
そんな状況を何日、何週間、何カ月と耐え続けられるわけがないのです。
そこで弁護士など法律事務所の登場です。
少ないながらも弁護士事務所や認定司法書士事務所で闇金被害者を対象にした無料相談窓口で被害相談を受けてくれるところがあります。ボランティアではありませんから全ての解決を無料というわけにはいきませんが仕事としてしっかりとこなしてくれる分、効果的であると言えるのです。
無料相談で相手との関係値をしっかりと説明し、どのように解決したいかとをハッキリと説明すると事務所は介入しますか?と応えてくれます。介入した時点で以下の事から解放されます。
→闇金の電話に出なくてよくなる
→勤務先等に対して事務所がケアをしてくれる
この2つは被害者にとってとても大きな意味を持っています。業者が追い込みをかけるポイントから解放されるからです。費用を払ってお願いをするということはこういうことなのです。費用面について心配される方が多いようなのでついでも費用についても記載しておこうと思います。
闇金問題の解決における費用は1闇金あたり5万円以下だといえます。
しかも分割支払いといった支払い方法も選択可能な法律事務所がほとんどです。被害額が年々大きくなってきているこのジャンルの被害者において決して安くは無いですが支払いが出来るのであればお願いしてもよい金額であるといえます。債務整理などと異なり交渉術を使うため労力がかかり本来であればこの金額では割に合わないと思われます。いつどこかの法律事務所が値上げをして他が追随するかわからない状況であると言えます。それはすぐ目の前にあると言っても過言ではないと当サイトでは判断しています。
以前に比べてこうした闇金融問題を対処してくれる法律事務所が減っているからです。
民間であり、商売にならないとわかれば撤退しても誰も文句は言えないのです。出ては消えていく法律事務所の広告を観ていればその傾向はわかると思います。
今後、爆発的に被害者救済を目的とした法律事務所が出てくるとは思えません。寡占した中でこの金額の相場が成り立っているのは各法律事務所の意地でもあると当サイトでは考えます。
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