【事件を読む】融資申込者から47万円詐取

大変に短い記事ではありますが今の闇金手口を象徴するものとして紹介していこうと思います。興味深いのは新聞社がこのニュースを振り込め詐欺として取り扱っていることにあります。
今回の事件を読むは、マスメディアなどが闇金を詐欺として認識しはじめたことを掘り下げたいと思います。

闇金業者が詐欺容疑で逮捕される

福岡県警が福岡市の4人グループを詐欺容疑で逮捕したとの記述から始まります。融資依頼の申込をした男性に対して融資するつもりはないのに「更新料が必要」と騙し、金銭を振り込ませた疑いと書かれております。

これは押し貸しや融資保証詐欺と言われる手口で現代の闇金が展開する3大手口の2つであると言えます。

・押し貸し詐欺/融資保証詐欺

今の闇金の流れを簡単に説明します。
まず闇金業者は申込者に対してそのままではブラックだから融資が出来ない、信用が足りないから融資が出来ない、と説明し融資は無理だといった雰囲気を演出します。
融資してもらえないと落胆したところで業者は、
「このままでは融資出来ないが、当社との信用を作ってもらえれば融資ができる。」
と希望を持たせます。そして、
「信用履歴を作るためにまず当社から1万円を振り込みますから1週間後に3万円を振込んでください。これを数回繰り返せば信用履歴ができるので融資できます。振り込んでもらった差額は利息から差し引いておくので問題ありませんから安心してください。」
と聞こえの良いセリフを並べてきます。そして頼んでもいないのに小額のお金を振込んできて、融資すると言いながら融資はせず、理由を並べて永遠と金銭要求をすることから、押し貸し詐欺と呼ばれるようになりました。

融資保証詐欺の場合はもっと単純明快で、
「このままでは融資出来ない。貴方の場合ブラックだから保証人が必要だ。保証人がいればすぐにも融資が実行できる」
と突き放すような物言いをします。保証人がどれほど危険かというのは先人達が身をもって経験していることもあり平成の世では人の借金の保証人になるような酔狂な人はまずおりません。したがって、申込者はここで落胆することになります。そして、
「保証人が用意出来ないのであれば、こちらで保証人紹介プログラムがあるので何とかできる。ただし、手続きに対して更新料金がかかるのでそれだけは支払いをお願いしたい」
とつなげるのです。渡りに船とおもった申込者は相手の言いなりになってしまいます。これが保証金詐欺の手口です。

以前の新聞社はこうした手口を短期高利、超高利率闇金などと説明しており、1週間で元金が3倍にも金利が膨れ上がったと説明しておりました。
ところが実際はそういうことではありません。
闇金業者からすれば振り込んだ1万円はこれから先ずっとタカリ続けるための仕込み道具なのです。

振り込まれたお金は融資ではなく、詐欺の小道具なのです

警察が闇金問題を特殊詐欺に分類しているのはこうした理由があるからだと考えます。当サイトで何度も話題に挙がっているので知っている方も多いと思いますが、今の闇金は融資をしていません。
携帯電話転売詐欺にしても、押し貸し詐欺、更新料詐欺、保証金詐欺、予約金詐欺にせよ融資は行っていないのです。融資するつもりが無いにも関わらず融資するかのようなキャッシングサイトを立ち上げ、適当な名目を添えて金銭を要求するから詐欺なのです。

非常に簡潔な記事にもそのことを理解しているとおもわれる文面がみてとれます

「融資するつもりはないのに「融資を受けるためには更新料が必要」などとだまし、11回にわたり、合計47万円を振り込ませて、だまし取った疑い。」

融資するつもりはない
だまし取った疑い

闇金で高利貸であればこのような表現はしません。つまり、新聞社も闇金が特殊詐欺、つまり詐欺行為であるとの認識を持っているということです。

闇金は自分たちが捕まらないと思っています。
1つは当事者間のお金の問題は民事事件で警察は介入しないと間違った知識を信じていることがあります。
→確かに金銭の貸し借りは民事問題なので警察は関与できません。しかし、闇金の場合は話が異なります。出資法という法律に関する問題なのです。その出資法がかわり今では刑事罰まで問えるようになっているのです。懲役5年以下、罰金1000万円以下という立派な刑事罰に処すことができます。

そしてもう1つは出資法などは他の罪に比べて軽微であるから警察も本腰を入れないだろうと甘く考えたことです。
→近年、オレオレ詐欺、振り込め詐欺が社会問題化すると、警察はヤミ金問題を振り込め詐欺として扱うようになりました。そして近年では特殊詐欺と位置づけしっかりと捜査し容疑者の逮捕を行っております。今や詐欺は一発実刑など呼ばれるほど厳しい刑罰なのです。

また当サイトでは闇金と言う言葉が持つ意味が被害者を生みだす要因になっているとも考えております。闇金はどうしても高金利、高利息というイメージがあるため、

融資自体は受けられる

と考える被害者さんが多いことも被害が減少しない理由であると考えます。
融資が受けられるのであれば多少の事は致し方ないなどと比較理論を持ちだしてしまうのです。
何度もいいますが今の闇金は融資をしません。
この考えが普遍化してくれば闇金被害はもっと減ってくると信じこれからも告知を続けてまいります。

ニュースソース
※2017/3/2ソース元の記事が無くなっておりましたのでリンクを廃止いたしました。

 

闇金業者の手口を教えてください。常に進化する業者の詐欺行為、電話番号、担当者名などを教えていただくことで被害を未然に防げる可能性が上がります。


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