【事件を読む】うその契約で携帯電話を買うと逮捕される

闇金問題に直結した事件や、関連してくる可能性があると思われる事件が発生しました。昨日2015年11/16に報道されたニュースによると、逮捕されたのは30歳の男と19歳の少年であるとのこと。

携帯電話販売会社にうその契約をしたことによる詐欺容疑で逮捕。19歳の少年に父親の名義で携帯電話を購入させ3万円の謝礼金を支払っている。30歳の男が携帯電話をどうしたのかについては書かれていないが被害額は約33万円と言うことなので3台買わせた事が伺える。
さらに、名義人が買った人物と異なった事を演出させることで支払い逃れをしようとしている点にも悪質性が伺える。少年に逸失物届を書かせてその間に誰かが勝手に契約したと主張し支払いを逃れるところまで考えている。

この事件は単なる詐欺事件として考える以上の問題を私たちに提示しており、しっかりと読み解く必要があると考える。
昨今、猛威をふるっている携帯電話買取詐欺の手口と照らし合わせてみると、被害者が容疑者になってしまうという可能性を持っていることにつながるのである。

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携帯電話は契約者本人以外の使用を認めていない
以前にも書いているので、またか!と思われる方も多いと思うかもしれない。しかしそれほどに現状、携帯電話に関して認識が甘い被害者が多いのも事実なのである。
携帯電話とは携帯販売会社が、
「本人においてのみ使用を許可している商品」
である。従って、事件の容疑者のように虚偽名義で購入すれば携帯電話販売会社は、騙し盗られたという見解になり警察へ通報することもあり得る。
闇金手口の1つである携帯電話買取詐欺についても同様である。自分ですでに1つ持っている携帯電話とは別に複数台もの携帯を購入する事自体が不自然ではあるが、その時点で携帯販売店が本人に利用目的などを聞くことはマレである。そうして、購入した携帯電話を買取会社なる組織に送るとどのようになるだろうか?
携帯電話販売店から見れば本人利用を前提としていない携帯電話の購入と判断され、事件性もしくは騙されたと言う点から警察へ通報する動きになることは容易に想像できる。ただでさえ、詐欺グループが携帯電話で犯罪行為をおこない、警察から販売方法や本人確認の徹底化について指導を受けていると思われる携帯会社販売店にとってこれ以上、犯罪で携帯電話が使われることにメリットはなに1つ無い。

警視庁のホームページでも携帯電話の扱いについてかなりきつい口調で警告を発しているのでしっかりと確認していただきたい。
携帯電話等を販売店からだまし取る行為は犯罪です! :警視庁

こちらですが2018/7/20に再度確認をしたところ警視庁のページがなくなっていましたのでリンクを削除いたしました。しかしページが無くなったからといって携帯電話を他人名義で申し込んで良いということにはなりません。

ここからは闇金手口である携帯電話買取詐欺の与える影響について触れてみたい。
現在の手口ではSIMカードを抜いて送らせているケースがほとんどである。これはある理由があってのことで気まぐれではない。

通話可能な携帯電話の転売は詐欺罪に抵触してくるのであれば、通話可能ではない状態であれば詐欺罪は成立しないと考えての行動である。

では通話できない携帯端末だけなら安全なのか?と言う問題だが、そのような甘いものではない事を理解しなければならない。ここに改めて警視庁が警告している文章があるので下記、確認願いたい。

※自分名義の通話可能な携帯電話等やSIMカードでも、携帯電話会社に無断で、有償で譲渡する行為を繰り返すと、携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(携帯電話不正利用防止法)違反となる可能性があります。
携帯電話等を販売店からだまし取る行為は犯罪です! :警視庁

つまり、携帯電話を転売してお金を手に入れる行為を繰り返すと法律違反になる可能性があると言うことである。このことをまず頭にしっかりと入れておくことが重要である。

 

【違法金融】携帯電話を買えば融資できるなんてことは無い

被害者の多くはこの言葉に騙されてしまっているのだが、騙されただけでなく本人自身も違法行為になる可能性があると言うのがこの詐欺の一番の問題点である。闇金業者は携帯電話を買えば信用情報が綺麗になって融資ができるなどとデタラメを言ってくるだけでなく、買取業者から被害者にお金を振り込んでいるのが問題なのである。この場合、警察や携帯電話販売店からみれば被害者は、
転売目的で携帯電話を買った人物
に相当するわけである。つまり、闇金が悪いのは当たり前として被害者自身も違法行為を行った人物と見られてしまうのである。これは決して脅しなどではなく実話なのである。

被害者が送ってしまった携帯電話は名義人が被害者のまま第三者の手に渡っているという事実が問題なのである。別名義のsimカードを差し込めばトバシ携帯が出来上がってしまうことにあるからである。このトバシ携帯は違法行為をしている詐欺グループや同じ闇金業者に転売されているのである。

このトバシ携帯に端を発し違法行為を行い被害者が発生し、警察が被害届を受理して捜査が開始されると一番に疑われるのが、
携帯電話の名義人とSIMカードの名義人
になる。この場合、本来携帯電話買取詐欺に遭っているはずの被害者が警察には、詐欺グループの一味として詐欺容疑の対象者として捜査されることになるのである。実際に電話がかかってきた闇金被害者は、普段の気のよい町のお巡りさんとはまるでかけ離れ、とても怖く、自分が犯人であるかのような感じで話をされ自分がやってしまった事に対して逮捕されかもしれないと感じ、腹の底から漠然とした不安感に襲われ、夜もそのことばかり考え寝付けないとと語っている。

心中察するに余りあるとはこういうことを言うのだろう。当サイトに寄せられる相談の中でもトップを争うほど多い携帯電話詐欺被害だけにしっかりと情報を公開することで未然防止の助けになればと思い今回、繰り返しになると分かっていても記事を書いた次第である。
あたり前のように手元にあり、空気のような存在でもある携帯電話だけに、突拍子もないような話に聞こえるかもしれない。ただ、ここに書いた事は実話であり、携帯電話とは思っているよりも契約に縛られ厳しく管理された商品であることを今一度考えてもらえれば幸いである。
犯罪において、知らなかった、やり直ししたは通用しないのである。


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