電話の声や対応が親切ならいい人？

2月に大きな変革があり内部的にバタバタしておりましたがそれもようやく落ち着いてきました。そこで被害相談担当と話をして、被害者さん、被害者になりそうな方々に何か傾向が無いか話しをしました。するとそこで興味深い話題が出てきたので今回の記事としたいと思います。

・電話の声で騙されてしまう

被害相談を受けていると闇金業者の対応がよかったためまさか詐欺だとは思わなかったと電話で話をされる方が多いことに気づきました。携帯電話やキャッシュカードを送ってしまった実害が発生している被害者さんも、不安で問合せ相談をされた方まで幅広いく共通項として、

電話口の対応が良いと騙されてしまう可能性がある

ということがわかってきました。例えばある相談がありました。

◆相談者さん報告

申し込みをした電話がかかってきて、

「独自融資の為に携帯電話を契約して実績をつくってください。もし携帯電話が契約出来なくても融資に影響はありません。あくまでも実績を作るために携帯電話を買っていただくだけですから。」

と言われた。携帯電話の買取詐欺は知っていたが契約出来なくてもいいのなら別の正規業者かと思った。気になる契約については担当者さんが、

「実績が出来たら契約は解約いただきその解約金もこちらで支払いますから安心してください。実績作りにつかった携帯は高額で買い取りをしてくれる買取業者があるのでそちらに売ればそっちでも現金を手に入れられてお得ですよ。」

と言ってもらい、そんなに親身になってくれるのかと感激し言われるがままにケイタショップに行き携帯電話とアイパッドを合計3台購入し、その日のうちに指定された買取業者に郵送した。

電話かけると質問にも丁寧に答えてくれたし、電話に出られないことが多くてもすぐに折り返し電話してくれました。そして何より丁寧で感じの良い話方だったし、一緒に頑張りましょうと声をかけてくれたので信じてました。

当サイトから言えば要所におかしな点が見受けられ詐欺業者だと判断できますが、闇金を知らずに申し込みをしている場合は違和感に気づかないかもしれません。実際に相談者さんからのお話をまとめていると、闇金業者から携帯電話の購入やキャッシュカードの渡す預け入れ融資なる詐欺手法について話をされてもおよそ半分の方はそれが違法行為だとは気付かないようです。

この相談者さんの会話を添削するならば、実績を作れば融資できるなどと持ちかけている点からしてもう詐欺だなとわかります。そして電話を折り返すのは闇金業者が複数のサイトをもっているためどのサイトで申し込みをした人なのか調べるのに時間が必要だからです。その場で電話にでて名前を言われてもわからないからなのです。さらに言えば、一緒に頑張りましょうとはキャッシング会社の担当者は言いません。貸し手と借り手の関係を超えるような発言はしないのです。

私たちはいままで何度も、詐欺業者のテクニックについて話をしてきました。融資保証詐欺は保証金や証拠金を先に払えという詐欺であること、携帯電話買取詐欺は信用情報機関の記録が良くないので携帯電話を買って実績を作りましょうと電話を騙し盗る詐欺であること、最近被害が増えている銀行のキャッシュカードをだまし取る銀行口座詐欺についても同様です。

恐ろしいのは被害に遭われている方や被害に遭いそうになっている方に巧みに入りこむ詐欺話法です。被害に遭われている方はネットなどで調べて怪しくないか等を事前にチェックしている方も多いのです。しかし実際には詐欺の被害者になってしまいます。

なぜか？

それは闇金業者の電話があまりにも上手で巧みに心理操作をしてくるからなのです。相手を信じ切ってしまっている相談者さんが反面チェックで当サイトに相談されるケースがあります。自分が声をかけてもらった消費者金融会社がまっとうなのか半信半疑なので不安を払しょくするための連絡と言えます。その行為は被害を防ぐために必要で称賛すべき行動です。ところがそうした相談者さんの半数は当サイトの言葉を信じられず理論ではなく感情で反論してくるよな方もいらっしゃいます。

「とても丁寧な対応をしているので闇金とは思えない。こういうサイトを運営していると人を信じることができなくなるんだろう。●●さんだけは大丈夫だと思っている。」

「感じの良い人だからとても闇金とは思えません。親身になって一緒に頑張りましょうと言ってくれている。携帯電話を買うことは違法じゃないと他のサイトで書かれてる。そちらが間違ってないって言いきれますか？」

「担当の●●さんは大手企業が自分たちみたいな新しいビジネスで顧客を奪っていると言ってた。銀行は手数料を取れないから預け入れ融資を詐欺だと言ってるだけですって言ってた。そちらさんはボランティアなんだから胡散臭いですよね、もういいです。」

当サイトは運営当初より知識をしっかりと身につけることで闇金業者の巧みな話術に騙されないようにしましょうと発信してきました。いち早く情報を収集するために相談窓口を設けて多くの被害者さんや被害に遭いそうな方から情報を寄せていただいております。ただ、完全に相手の話術に落ちてしまっている場合、私たちが真実を言っても耳を傾けてもらえることは無く、結果的に被害に遭ってしまう方が多いのです。

いま挙げた3つの相談はいずれも携帯電話買取詐欺や銀行口座のだまし取り詐欺の被害者です。結果として再度、当サイトに連絡をしどうすればよいかとアドバイスを求めてこられました。

被害に遭ってから気付いても遅いのです。

それはこのサイトの主旨ではありません。このサイトの主旨は詐欺の未然防止なのです。そこでここでは業者の特徴をいくつか紹介しますので危険レーダーとして頭に入れてもらえれば幸いです。

【1】闇金融の声色や感情表現に騙されない

声が良いとか感じがすごく良いなどあいまいなものを信じないでください。相手がどんな発言をしたのか具体的に発せられた言葉だけで判断してください。その言葉の中に、実績を作れば融資できる、信用情報機関の上書きをする、返済履歴を作る必要がある、独自審査なら貸付できる、など何かをすれば融資ができると持ちかけられた時点で闇金もしくは特殊詐欺の業者と考えて間違いはありません。

闇金業者はすぐに怒鳴るとか大きな声で威嚇するといったイメージを持っている方があまりにも多いのですがそれは違います。相手は被害者が騙されている間は尻尾を出しません。つまり、丁寧な発言でやんわりとした話し方をしてくるのです。それに気をよくすることは大変に危険なのです。

【2】闇金業者がこちらを気遣う発言を信用しない

通常、キャンシング会社は申し込みをしてきた融資希望者に対して感情を入れて話はしません。その希望者の過去履歴や現在の収益、借財の金額といった必要な情報から融資できるか否かだけを冷静に判断してきます。仮に店長決済なるものがあったとしてもそのことを融資希望者に言うようなことはしません。それは社外秘だからです。

相手のことを気遣うような発言をされれば悪い気はしません。ましてや今まで大手消費者金融会社などから借入不可を言われてしまっている場合はなおのこと心に響いてしまうと思います。しかしそこが業者の狙いです。極めて高度な心理学の応用であることをわすれないでください。

キャッシングとはあくまでも貸す側と借りる側しか存在しません。貸す側が借りる側をいたわるようなことはしないのです。もし業者がやさしく、

「実績を作って早く独自決済を通してお金を借りれるように一緒に頑張りましょう」

なとど言われたらその時点で詐欺、闇金と考えて間違いはありません。

【3】しつこい報告義務、連絡義務は疑え

闇金業者は詐欺が完結するまで時間をかけたくありません。そして100％相手の状況を把握し、自分の顧客が知人に相談するいことで悪質商法とバレることや警察に相談した方良いなど余計な事を吹き込まれないうちに仕事を完結したいと考えております。すると、異常なまでに報告・連絡・相談をしっかりとしてくるようになります。

一般的なキャッシング会社は貸付に対して必要なことがあれば電話をかけますが、融資を受けた人に対し一つ一つの行動を私たちに連絡をくださいとは言いません。言う必要が無いからです。お金は返すか返さないかしかないからです。

悪質業者は売上を達成するために何度も連絡を取り常に顧客の状態を確認し、自分たちが違法組織であることを被害者の知人などが教えないように監視しているのです。騙されているうちは徹底的に搾り取るのが悪徳業種の常で、怒鳴ったり恐喝したりする必要が無いので穏やかに、丁寧に接してきます。前にもお話しましたが悪徳商法だからテレビの悪役のように怒鳴ったり、なじったり、家に押しこんでくるんだろうと恐怖するのは全くの間違いです。

・闇金の固定観念を捨てましょう

テレビ、映画などの影響なのだと思いますが闇金業者に対して固定観念を持っている方が多いように思えます。その固定観念を逆手にとっているのが近代詐欺、近代闇金の業者なのです。

こんなイメージを抱いている人は業者に騙されやすいので危険意識をもちましょう。

・闇金は自宅のドアの前で大騒ぎして廻りを巻き込む
・業者は言葉使いが荒っぽく、声がデカイ
・チンピラみたいなのが業者だとおもっている
・ミナミの帝王みたいな漫画が闇金だとおもっている
・ウシジマ君みたいに話せばわかると真剣に思っている

このあたりが皆さんが持つ業者のイメージかと思いますがこんな業者は昭和でもない限り存在しません。
町で歩いていても思わず見てしまうようなスーツをきて肩で風を切るような人間でもなければ、学が無く頭が悪そうな話し方をしてるわけでもありません。

むしろ彼らはどうやったら自分たちの売上が上がるかを常に考え続け、詐欺マニュアルを磨いているのです。
電話で全てを完結するのが近代の知的犯罪のセオリーになってきております。怒鳴ることが売上アップにつながれば否応なしに怒鳴り散らしてきますが今の世の中には合いません。だから怒鳴らないだけです。騙されているうちは相手を持ち上げている方がより多くの売上が上がるから持ち上げ、丁寧に接しているだけなのです。

親身になって話を聞いた方が売上が上がることを彼らは知っています。だから一般的な消費者金融の担当者よりも時として優しく接してきます。それこそ夜遅くまでロールプレイングをして自分たちのトークを見直しているのです。お金を稼ぐためならば一般社会人よりもはるかに努力をしている闇金組織があることを認めなければなりません。

闇金＝人生の落後者、あたまわるそう、違法組織の人、声デカイ

そんな固定観点を捨てなければいつ何時にも被害者になってしまう可能性があることを忘れないでください。電話と言うのは相手の顔やしぐさが見えませんから声や話し方で判断するしかないのです。だからこそアカデミー賞モノの演技をするオレオレ詐欺業者の被害が減らないのです。彼らの犯罪を劇場型と呼称するのはそれだけ狡猾に自分たちの本性を隠して演技し、相手を騙してくる様を表現しているともいえるのです。

電話だけで全てを理解しようと思うので知識や経験が無ければ難しいと思います。だからこそ当サイトが存在しているのです。