【事件を読む】闇金が再び増加か?
インターネットでは闇金業者を実名で告知していくサイトや闇金問題に対して細かな情報を提供するサイトが数多く存在している。しかし大半が小規模経営のメディアやサイト管理者と呼ばれる個人が運営しているサイトであり、紙媒体に軸をおいたWEBメディアで掲載される事は多くない。
そのような中、闇金問題に焦点を当てた記事が登場したので取り上げみた。
この中で興味深いのは記事を作成するにあたり取材した際のデータである。引用になるため引用元などは文末に記載する。
◆日本貸金業協会が行ったアンケート調査
それによると、個人での借入利用者の数は減少傾向になるが、個人事業主など事業者が闇金と接触する可能性が13.5%あり、前年度から3.6ポイント上昇と書かれている。
記事では総量規制や過払い金といった方法へ話を振っているが当サイトではこの数値から別の意図を読み解いてみた。
融資保証詐欺に復活の傾向
老舗の保証金詐欺が復活してきていると言えるのではないだろうか。融資保証詐欺は振り込め詐欺の分派で手数料や保証金を先に支払ってもらえれば融資が可能と持ちかけてくる詐欺手口である。
ネットでは押し貸し詐欺や携帯電話買取詐欺に押しやられて下火傾向だったがここにきて復活してきているのだと推測できる。
事実その傾向はあったと言える。ネットでは下降線をたどっていた保証金・手数料詐欺だがFAX宣伝では今でも「事業者ローン」を名乗って平然と広告を行っていたからである。
fax闇金は無担保・無保証、即日振込などをお題目にネットほど派手ではないが昔から存在しており、昨今では事業者をターゲットにした宣伝が特徴である。
ネットとは異なりfaxを送りつける手口の為、名簿屋などに発注を行っていると考えられ、通数×単価で宣伝料金が決まっていると言われている。
内容などは広告代理店が考えることもあると言われ、ある程度のひな形が存在しており似たり寄ったりのデザインである事も特徴である。
資金に困った事業者が連絡先へ電話をするとネットと同じく、会社の電話番号、免許証、保険証のfaxなど個人情報を細かく聞き出し、仮審査と言って一旦電話を切る。
程なくして折り返しの電話がかかり、
「審査状況が悪いので保証人が必要だ」
とか
「信用情報が悪いので手数料を先に振込んで返済履歴が欲しい」
と持ちかけてくる。しかし違法金融は貸金業登録番号を保持しておらず、金融各社が作っている信用情報機関に加入する権利を持っていないので当然ながら与信など行う事が出来ない。時間を空けることによって与信を行っているふりをしているだけである。
保証人が用意出来れば銀行や有名な事業者ローンに融資依頼をする事ができることは闇金側でも把握しておりハッタリを言っているだけなのだが藁をもつかみたい事業者からすれば、多少の手数料を支払って融資がもらえるならと考えてしまうところがfax闇金の怖いところである。
手数料と言う言葉は、預託金、保証金、保証人に支払う謝礼金と業者により多少の違いはあるが、
お金を先に払う
と言うことに変わりはない。事業者ローンの恐ろしいところはこの前払いのお金の額が大変に大きいことなのである。例えば、1500万円の事業者ローン(闇金)に申込をすると担当者はこう切り出してくる、
「希望額が1500万円なので前払い手数料が4.8%なのでお振込額が72万円となります。明日にも融資が実行できるので午後3時までにお振込頂けますでしょうか」
振込金額が大きい上に、話の進み具合がとても早いのである。これは心変わりや他人から情報が入る前に仕事を終わらせたいと言う闇金側の意図があるからである。
ここでも闇金は心理学を駆使した言い方をする。
「手数料の72万円ですが融資の際には利息から差し引きを行いますので実質0円だと思っていただいて問題ありません。今回はラッキーなことにキャンペーン中なので、できるだけ多くの方に融資できるように当社も審査基準を大幅に緩和しております。明日には1500万円満額ご融資できるよう社内での出金準備は整っております。ただ、キャンペーンは数に限りがあるので上限に達してしまうとご融資が出来ない場合もありますので予めご理解願います」
要所にちりばめられた言葉が焦りを演出している事がわかる。1500万円というニンジンを前にすれば72万円が安い金額であるかのような錯覚が起こる。そこで引っかからなければ、利息から差し引くので実質0円だと言葉を添えることでこちらに何のデメリットも無いかのようにささやいてくる。さらに、キャンペーンなる言葉で見えないライバルを作り出すことで急がなければ融資がもらえないという錯覚を狙ってくる。
これほどまでに準備が施されているからこそ闇金問題はクリアにならないのである。悪い事を考える人物の狡猾さには頭が下がる想いだが決して称賛などはできない。これはまぎれも無く犯罪行為なのだから。
こうした手口の進歩が前年比3.6%上昇と言う数字の裏に隠された真実であると当サイトは読み解く。
事業者をターゲットにしたfax闇金の増加は同時に個人をターゲットにしたネット闇金にも及び始めている事を知ってもらいたい。昨今の被害相談で少しづつ増え始めているある傾向がある。
最後に融資保証詐欺を絡める
押し貸し詐欺の被害相談者に増えてきているのだが、週単位での支払いを繰り返す被害者に対してある日、保証料金や手数料名目でまとまったお金を振り込ませるような業者が出てきているのである。
今までは週に2万円前後のお金を振り込ませていたのだが、明日にも融資できるのだが1つだけ条件があるとし、
「保証人をつけてもらいたい」
と無理を言ってくるのである。言うまでも無く日本で借金の保証人を探すのは困難である。そこで闇金は代替え案として、
「保証人はこちらで付けるのでその方への謝礼金を払ってもらいたい」
などと持ちかけてくるのである。債務者心理として、少し払えばまとまったお金がもらえるならと無理を通してしまい騙されてしまったという相談が本当に増えてきているのである。
今後も融資保証詐欺を絡めた複合詐欺が増えてくる事が予想される。実態の見えにくい闇金業界ではあるが、被害金の平均額が極端に上がれば社会問題になる事は想像に難くない。しかしそうなってからでは遅いのである。
情報があふれているインターネットから何を広い、どう読み解くか?
今後もこのブログを使って定期的に見解を配信していきたいと思う。
文末になるがソースを下記する。
ヤミ金が再び増加か?悪質化で詐欺の被害も続出
闇金業者の手口を教えてください。常に進化する業者の詐欺行為、電話番号、担当者名などを教えていただくことで被害を未然に防げる可能性が上がります。
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