【荷受代行詐欺】携帯電話買取詐欺が進化した

追記:2017/10、荷受詐欺というカテゴリーを作っておりましたが闇金の一手口であることから手口カテゴリーに統合しました。また昨今では下火になっているとはいえまだまだ主婦や小さい子供をもつ母親を狙ってこの詐欺業者が暗躍しておりますのでくれぐれも気を付けてください。

銀行口座詐欺が猛威をふるっていると警告記事を出したのは今月10月のことです。残念なことに本日もまた新しい詐欺手口を告知することになってしまいました。
夏ごろからチラホラと相談が増えていたのですが被害もマチマチであったり問合せ頻度もそれほど多くなかったので大規模な詐欺グループの関与は無いと思って調査を後回しにしていたのですが先日、逮捕者が出たことで詐欺が深刻な問題になってきていることを知り記事に致しました。


・荷受代行詐欺・荷受転送詐欺
ニュースなどで逮捕について報道されたため言葉を知っている方も多いかと思いますが振り込め詐欺などと比べれば認知度は低いので少し説明したいと思います。

・在宅アルバイトを語りバイト募集
今までの詐欺と異なるのは闇金サイトを通して集客を募集していないことが挙げられます。携帯電話買取詐欺や銀行口座詐欺ではまず闇金サイトを作り、ブラックや多重債務者でも借入れができるかのような甘い言葉でユーザーを募集しておりました。
しかし、この詐欺では闇金サイトを使わず代わりにお金儲けをキーワードにして集客を行っております。

業者が主に狙っているのは他人と接点があまり無く悪質商法とバレにくい生活環境を持っている在宅者です。専業主婦や長期療養中の方、障害を持っている方そして在宅でビジネスをされている方です。こうした方は会社など人数が集まるような場所に定期的に出向かないため、最新情報の共有速度が遅くなることがあります。
業者はそこをターゲット層にして「かんたんなバイト」というマジックワードを使って網を張ります。
主に、無料で掲載出来るアルバイト募集サイトやフェイスブックに代表されるSNSやツイッターなどに架空の人物を装ったアカウントを開設したり、ニセ会社を作ってアカウントを開設します。

そこでは、
「0歳児の子供が居てもできる簡単なお仕事です。」
といった誰にでも出来るようなイメージを抱かせる言葉をつかい、楽して儲けられるような幻想を植え付けます。しかしそこには大きな、人生さえも狂ってしまうような大きな落とし穴が待ち構えているのです。

・詳細な個人情報を聞き出される
バイト募集をすると次に待っているのはお仕事に必要だと言われる様々な個人情報の記入です。聞き取りは業者により2通りあるようなので詳しくご説明します。

1.担当を名乗る人物からの電話
申込をすると担当を名乗る人物から電話があり、お仕事の説明を受けます。この時はじめて仕事の内容が、荷物の受け取り代行と再発送ということを知らされます。理由つけは業者によって言い方が異なるため様々ですが要点をまとめると以下になります。
「受け取っていただいたお荷物を私どもが指定する場所に発送していただくだけのお仕事です。」
ここで不信感を持てるのであれば最悪の事態は避けられますが被害相談を受けている限り、
「多少の違和感はあったが、やってダメだと思えばすぐに辞めればいいや。」
という簡単な気持ちで受けてしまうことの方が多いようです。
さて担当者なる人物はお仕事を始める前に必要情報を伺いますと前置き、名前の確認、住所、年齢、前職などを訊いてきます。場合によっては家族構成を訊いてくるところもあるようです。そして、顔写真付きの身分証明書を用意するように言ってきます。大抵は運転免許証ですが無ければパスポートと言われたりします。
画像付きの身分証は写メを撮るか、デジカメで撮影した画像をメールで送るように指示されます。
指示されたとおりに全ての個人情報を相手に開示すると確認作業が入り問題がなければアルバイトのスタートになることを伝えられます。

2.メールでのやり取りのみ
申込をすると折り返し仕事をするにあたり身分証明を聞き出すような文面が記載されたメールが届きます。驚くほど丁寧な文章でわからないことは何でも聞いてもらいたいといったような大変に丁寧なメールが届きます。
そこで名前、年齢、住所、前の職業や家族構成、前にどんな仕事内容をしていたのか等を書かせるよう指示があったりします。履歴書をデジタル化して送るように指示する事もあれば、写真に撮ってメールに貼り付けてくださいなどと要求する業者もいます。

業者によって知識レベルにバラつきがあり大手転職サイトのような文章を送ってくる時もあれば、「ですます」を基調とした丁寧語もどきのような文章を送ってくる業者もあります。

違法行為を行う業者の中には一般的な教育を受けず、まっとうな社会経験がないまま犯罪組織に属する人物が少なからず存在します。
こうした人物は敬語を使った話し方にクセがあったり、電話の受け答えに違和感を感じるような言葉を使う場合があるので、違和感を覚えたらその場で即決しないことも有効な防御対策です。
メールなど長い文章を書くとその傾向は顕著に表れたりします。全体的に文章を眺めたとき、おかしな言葉使いをしている時は気をつけるようにするだけで被害を防ぐことができます。

・やっている行為は詐欺の手助け
複数の個人情報を送ると業者から仕事の連絡が入るようになります。いろんなところから小包が届きそれを指定された場所に発送するのがこのビジネスだと説明をされているので、何の疑いも無く発送してしまいます。
被害相談を受け分かってきたのは、中身が携帯電話か関連商品であるということです。それ以外にも持ち歩き用の携帯ゲーム機といった報告もありますがあまり多い事例ではありません。

業者は届いた小包を開けることなく別の場所に発送して下さいと言ってきますので指示されたとおりに発送をしてしまいます。実はこの行為こそが詐欺の共犯になってしまい後戻りできないほど重大な問題に発展してしまう行為の1つなのです。
業者が行っていることは詐欺でありだまし取った携帯電話など商品を一度、被害者宅に送りつけることで警察の捜査かく乱を狙っているのです。そしてさらにこの詐欺に発生する大変に厄介な問題があります。

・この詐欺のカラクリ
この詐欺には2つの悪質行為が存在しており最悪の詐欺であると言えます。

1.なりすましで自分の携帯電話を買われてしまう
業者は申込時に色々と訊かれたり、書かされたりした個人情報をもとにインターネットだけで購入出来るサイトで格安携帯電話等を購入しているのです。携帯電話は本人確認が厳しい商品ですが大手キャリアのように全国的にショップを持っていない格安携帯販売会社やその代理店はインターネットだけで簡単に購入ができるような体制を敷いて売り上げを伸ばしています。
ネットだけで購入ができるということは、本人になりすませるだけの個人情報を持っていれば他人でもその人物になりすまし商品を購入する事ができると言うことなのです。

実際に荷受代行詐欺グループはこうして本人になりすまして携帯電話をだまし取っているのです。

販売会社がなにも対策をしていないのか?といえばそんなことも無いのです。犯罪利用についてピリピリしているのは大手キャリアだけでなく携帯販売会社や代理店も同じなのです。そこで身分証明証の所在地と異なる場所にはsimカードや実機を発送しないといったルールをもうけることで第三者のなりすまし購入を防ぐ対策をしているのです。
しかし、その盲点をついたのがこの荷受代行詐欺だったのです。

被害者には割の良いアルバイトだと言って小額の金銭を振込み、その裏では本人になりすまし携帯電話を購入し被害者宅に送りつけ第三者購入の痕跡を消し込んだ上でだまし取っていたのです。


2.携帯電話買取詐欺の商品送り先として利用される
実は闇金サイトを中心として猛威をふるっている携帯電話のだまし取り詐欺の商品送り先としても利用されてしまうことが確認されました。もっと稼ぎたいので商品をたくさん送ってくださいなどと問合せをしてきた被害者などを中心に被害が広がっております。
荷受代行詐欺業者は闇金グループに、
「安全で足のつきにくい荷受場所があるから使わないか?」
と持ちかけ金銭を受け取って被害者宅を配送センターに仕立て上げたのです。

被害者が警察から事情聴取を受けても本人に全く罪の意識が無い上、詐欺グループの本体と接点がないため捜査の糸がぷっつりと切れてしまいます。
この詐欺が最悪の詐欺といわれるのは、本人に犯罪の意識が無く違法行為に加担し、教唆として責任だけ取らされる可能性があるという点かもしれません。

・過去に似た手口は存在した
この詐欺は今年に入っていきなり登場してきましたが、全てが斬新な手口というわけではないと当サイトでは解析しております。それまでの過去の詐欺の流れを紐解けば要所に似たような手口を確認する事が出来たのです。


・ウチコ/攻略法詐欺と同じ集客方法
数年前に大ブームになったパチンコ詐欺商法にも同じような手口があったのです。打ち子とはパチンコ屋で出玉演出をするサクラバイトのことで、店が雇ったアルバイトである打ち子が終日パチンコ台で箱を積み上げることで、店が出玉を出しているように演出する手法です。
しかし、詐欺グループはこれを詐欺のタネとして利用しました。

スパムメールや在宅ワーク、1日3時間で月間100万円の収入、趣味をお金に換える!といった魅惑的なことばで打ち子アルバイトを募集したのです。
好きなパチンコを好きなだけ打ってしかもバイト代が貰えますよ!
と煽ったのです。これに専業主婦を中心とした在宅者が敏感に反応したのです。
ところがアルバイトをするためには信用保証が必要だなどと持ちかけ登録料金や保証料などの名目で先にお金を支払わせたのです。
実際に店から打ち子の依頼などあるわけも無く、登録料金や保証料金という名目でお金をだまし取り言って期間が経過すると逃げることを繰り返した詐欺だったのです。

攻略法詐欺についても同様でした。
あの●物語に攻略法が存在した!などと派手に煽り攻略法希望の申込を募ったのです。そこで業者はレベル分けをし無料情報、有料低額情報、プレミアム情報などとコース分けをして1人の被害者から何度もお金をせびりとったのです。
1つ例を出しましょう。
攻略法にお金を払うと、
「●●という駅の▲▲という店のあの台の角台を打ってください。最初に1000円普通に打った後、5分休んでもう1000円入れたらヘソチャッカーに3回入賞させ、3分休んだらセット完了です。後は普通に打てば高確状態に入ってるのでヒキ次第で猛爆ですよ」
しかし、実際には全く出ません。仮に出たとしてもそれは自身のヒキの強さであり攻略法などの効果ではないのです。そこで購入者が文句を言うと、
「それはその店が対策してしまったからです。こちらの責任ではありません。そもそも100%で勝てる攻略法がそんな値段で販売されてるわけないじゃないですか、そういうホントのホントって攻略法は特別単価になります。」
と煽るわけでです。

打ち子詐欺がブームの時、詐欺グループは求人募集サイトを作り、無料の求人サイトやスパムメールでバイト募集と称して被害者を募ったのです。
しかし社会現象になり悪質な詐欺ということで警察などが捜査をして一気に下火になった過去があるのです。パチンコメーカーのテレビCMで、パチンコ攻略法などというのは存在しません。などと書かれたCMを見た方や覚えている方も多いでしょう。

・携帯電話買取詐欺と同じ仕組み
前述しましたが、荷受代行詐欺の手口は他人名義の携帯電話をだまし取ることです。これは闇金サイトを作って集客している携帯電話買取詐欺グループと同じなのです。
違いは闇金サイトを作ってお金を借りたい人を集め本人に携帯ショップで携帯電話を買わせた闇金型携帯詐欺に対し荷受代行詐欺は本人になりすまして携帯電話をだまし取る手法です。携帯電話をだまし取るという点では全く同じです。

どちらも携帯電話会社の契約者は被害者で携帯端末の支払い者も同様に被害者なのです。

・荷受代行詐欺への対策方法
荷受代行詐欺は来年にかけて銀行口座詐欺と同様に詐欺の主流になる可能性を秘めております。現在はSNSや無料の求人サイトなどへの投稿がメイン集客ですが、サイトを作ってスパムメールを送りつけたり、副業サイトのようなサイトを作り普通に広告宣伝してくる可能性があると当サイトでは危惧しております。

なぜなら打ち子詐欺や携帯電話買取詐欺の当初と同じ動きをしているからです。最後にこの悪辣な詐欺に騙されないためにいくつかポイントを書き出してみました。

・荷物を受け取る仕事や転送する仕事は詐欺だと認識する
・相手先の連絡先アドレスがYahooアドレスやgmailアドレスの場合は詐欺を疑う
・担当者の連絡先が携帯電話番号や050番号など固定電話以外なら怪しむ
※逆引き電話で03発信電話等もあるので見知らぬ03番号なども注意が必要
・個人情報として顔付きの身分証明書をメール等で送らない
・執拗に個人情報を聞き出されてもその場で教えず調べる癖をつける
電話口やメールで銀行口座情報は絶対に教えない

闇金業者の手口を教えてください。常に進化する業者の詐欺行為、電話番号、担当者名などを教えていただくことで被害を未然に防げる可能性が上がります。


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