闇金にだまされないために、携帯電話買取詐欺編

闇金被害や取り込み詐欺被害を未然に防止するにはどうすればよいかを模索し続け気がつけば運営も1年を超えました。当初のコンセプトそのままにひたすらに情報を収集して更新し続けていくことで闇金被害が少しでも減ってくればと頑張っております。
まだ1年と少しですが闇金業者の手口や闇金をとりまく世間の環境が大きく変化してきていることを実感しております。今回は携帯電話をだまし取る特殊詐欺を手口とする闇金サイトと関わってしまった方に最悪な状況を防ぐ方法は無いかと言う思いから記事を作成いたしました。

闇金業者の手口をしっかりと理解し自分の状況を確認できるようかなり細かく書いてみました。ロールプレイングとはいいませんが携帯電話買取詐欺はこのように仕掛け、騙されてしまったらこういう現実が待っていますということが分かるように書いてみました。
自分は大丈夫と思っていてもコロっと騙されてしまうこともあるのです。そうならないように知識をしっかりと蓄えてどの段階でも業者の心理誘導から逃げられるようにしましょう。

・闇金はけなしてから持ち上げる

サイト運営型、迷惑メール型、個人営業型、現存している全ての闇金業態で行われている詐欺が携帯電話のだまし取りと銀行口座のだまし取り詐欺です。携帯電話詐欺はすでに社会的に認知されてきておりニュース番組等でも特集されるようになってきましたのでご存じの方も多いと思います。詐欺は一般認知されると也を潜め業態を変化させてきます。誰も騙されなくなると経費と売上のバランスが悪くなるからです。携帯電話詐欺も一時の勢いが無くなり鎮静化したと思っておりましたが決してそうではありませんでした。電話に代わる商品の登場により詐欺形態が変化しただけだったのです。業者が詐欺として目を付けたのが銀行口座だったのです。銀行口座詐欺については次回改めて説明します。
ここでは携帯電話をだまし取られることの怖さを伝えたいと思います。

特殊詐欺を手口とする闇金業者は申込をしてきたユーザーに対して落胆させるような営業トークを展開します。
「あなたの状況では融資できない。信用情報でブラックとなっているためどこに行っても借りられないでしょう。ウチでも厳しいです」
「CICに融資出来ないと書かれているので貸付はできません」

こんな感じでまず申込者を落胆させ融資が断られたかのようなイメージを与えます。しかし実はここからが詐欺の仕掛けなのです。業者は立て続けにトークを続けます。
「しかし信用情報を上書きすれば融資することができます。融資はできますからご安心ください」
「信用情報を回復させることで融資はできますから少しお話を続けさせてもらいます」

ここもダメだったか、という絶望から一転、お金が借りられる!と想わせることで一気に暗示をかけてきます。犯罪グループに属す人間はバカではありません。悪知恵がとても働くだけでなく人の心理に働き掛けるやり方を熟知している頭の切れる人なのです。バカでは人をだませません。そんな狡猾な業者に騙されないようにするには相手を知ることための努力をしなければなりません。
さて本題です。
で詐欺師は申込者にどんな暗示をかけたのか?このような発言をされたらお金に困窮している方はこのように考えるそうです。

「ここでこの機会を逃したらもうチャンスが無いかもしれない」

「また探すのは面倒だし多少条件が厳しくてもお金が借りられるなら」
「すぐにお金が振り込まれるなら多少のリスクがあったとしても」

最初に、ウチでは貸せない、信用情報が悪いからどこも貸さない、といったマイナス発言を連発した後に打開策があるので、お金は借りられる、と持ちかけることで劇的な演出をすることで洗脳や暗示に近い状況を作りだしているのです。本当に悪知恵が働きます。

この機会を逃したら! と思ってしまった時点で詐欺師の仕事は半分達成したといってもよいでしょう。これが闇金業者が最初に持ちかけるトリックです。

・融資を得るための条件提示
お金が借りられるのならば多少のリスクは仕方ない、という心理に持ち込むのが最初の仕掛けです。仕掛けが完了すると今度は本題に入ります。業者はここでも心理トリックを使ってきます。それは、

何かをする対価で融資させる錯覚

多少のリスクは仕方ないかもしれない、それよりもお金が借りられるのならばやってみるか、という心理になっている申込者に対して業者が仕掛けたトリックは、条件をクリアすれば融資が出来るという2つ目の心理作戦です。
これはギャンブル思想に似ており人間心理を巧みに突いた大変に高度な営業トークです。具体的には以下のような営業トークが入ります。

「信用情報を回復するためには携帯電話をローンで購入するのが一番早い」
「信用情報を上書きすれば融資ができる。それには携帯電話を買うのが良い」

ここで初めて詐欺師の本音が出てきます。業者は携帯電話をだまし取り高値で転売することで利益を得ています。だから、携帯電話の取り込み詐欺なのです。融資をして取りはぐれるくらいなら携帯電話をだまし取り、他人名義の電話が必要な犯罪グループに転売する方がよっぽどリスクなく儲けられるのです。
言われた申込者の半分はこの条件を鵜呑みにして携帯ショップで電話とアイパッドを購入してしまうようですがもう半分は頭に???が点灯し何かがおかしいと感じています。
高い広告を買って募った申込者は全員お金に変えたいという貪欲な闇金業者は半分に満足せず残りの半分にもさらなる仕掛けをしてきます。

「重要なのは情報の回復なので要らない携帯電話は高価買取してくれる業者を紹介します」
「解約の費用とか掛かる経費は全額こちらで融資の際に上乗せで振り込むのでリスクはありません」

リスクが全くないような条件を矢つぎばやに言われることで相手を信用してしまうということもあるようですが、リスクが無くやらない理由がナイと思わせることが目的の発言です。
中には時間軸を狭めることで相手の思考を狭めるトークを絡めるツワモノもいます。

「今日が貸付強化キャンペーンの最終日なので明日になったらこの手口は使えません」
「今日決めてもらえれば後はこちらで社長に決済もらって明日には振込出来ます」

悪徳商法では常識的なやり方です。とにかく、考える時間を与えないというのは詐欺や悪徳ビジネスでは常識なのです。

こうしていつの間にか融資の話から携帯電話を買う話に話題がすり替えられてしまいました。そして、携帯電話を買えば融資されるという魔法をかけられてしまうわけです。

融資されない!

今日だけ、明日までにやってくれれば融資できるという闇金業者のたくみな話術によって暗示に掛けられ言いなりになってしまった申込者は言われるがままに携帯ショップで携帯電話とアイパッドを購入してしまいます。
3台購入すれば負債額は約28万円にもなります。結果としてこの負債は全て申込をしたあなたの負債になるので返済義務が発生します。無かったことにすることができません、また詐欺でしたと主張しても負債が無くなることは現時点ではありません。携帯電話会社もそのあたりはしっかりとしており、本人が自分の意志で携帯電話を購入している以上、携帯会社に過失はないというスタンスです。
しかし多くの被害者さんはこの時点ではそんなことを知る由もありません。携帯電話を購入するとすぐに闇金業者に電話をして送り先の指示を仰ぎます。

ゆうパックや宅配業者を使って指定の送り先に携帯電話を送ってしまったら最後、取り返しのつかないことになってしまいます。

業者の元に携帯電話が届くとその電話はその日のうちに業者から業者へと流されてしまい取り返すことはほぼ不可能です。そして闇金は次の一手を打ってきます。

「信用情報の上書きが確認出来ない。まだ携帯電話の購入が足りないのでまた購入してください」
「まだ回復されてこないので追加で電話を購入して下さい」

おかわりの要求です。悪徳業者は一度騙せた人間をそう簡単に離しません。徹底的に絞り取りお金に換えようとします。業者にとってはダブルアップゲームなどゲーム感覚なのかもしれませんが、騙された方は倍々で負債が増えてしまいます。

そして融資を今や遅しとまっている申込者に絶望が訪れる瞬間がやってきます。

闇金からお金が振り込まれない

闇金業者がお金を振り込むことはおありません。なぜなら業者の目的は「携帯電話」であり「お金を貸す」ことではないからです。目的を達成した以上もうその人物には用が無いのです。だから何度電話しても、

「担当者は終日外出なのでおかけ直しください」
「だから次の携帯電話を買わないと信用情報が回復しないから融資できないんですよ」
「いまやっている最中です、あんまり電話されると業務妨害になりますよ」

挙げ句の果てには逆ギレしたり、強い言葉で怒鳴りつけるといった業者もあれば、着信拒否にして電話にでなくなるといった業者もあります。

ここで初めて自分が詐欺被害に遭ったことを知るわけです。

携帯電話詐欺の末路

騙されたと分かって慌てふためくも業者は逃げの一手で電話を取り返すどころか怒鳴り散らしてくるなどラチがあきません。それでも何かをしなければならないということで多くの方が警察に相談されるようです。
こうしたケースを取り扱ってくれるのは警察の「生活安全課」と言うところになります。
今までに経験したこと、内容を警察官に話をし助けを求めます。しかし、ここで大抵の方は思いもよらない対応に愕然とするようです。

警察官「話はわかりました。確かに闇金業者に騙されたということに間違いはありません。しかし被害届を受理することは難しいと言えます。なぜならどんな理由があるにせよあなたが自分の意志で携帯電話を買って悪徳業者に渡してしまった以上、その携帯電話が犯罪に使われればあなた自身も犯罪の共犯者と言うことになる可能性があるからです。」
異口同音ではありますが大抵はこのように言われてしまうそうです。中には携帯電話を売ってお金を得ようとしたんじゃないの?それは問題だよという直接的な表現をする警察官もいるようです。ここで問題になってくるのは

警察は相談者さんを被害者とは思っていない
ということです。携帯電話を転売するような行為は警視庁のホームページにも記載されております。そしてその行為自体が犯罪である可能性についてもしっかりと触れているのです。つまりこういうケースに対して警察は危険告知をしているのです。それを知る努力をせずに詐欺に引っ掛かってしまったので助けてください。と相談しても警察官が困惑するのは当然のことなのです。

ここで携帯電話買取詐欺被害に遭われている方が陥りがちな勘違いについてご説明します

・勘違い一覧
だまし取られた携帯電話を取り返してほしい
犯人を逮捕してもらいたい
電話の契約を無かったことにしてもらいたい

だまし取られた携帯電話を取り返してほしい
警察に相談するのは筋違いというものです。そもそも携帯電話を買って送ったのは自分自身なのです。警察はその相談内容に事件性があれば被害届を受理してくれるかのしれませんがだまし取られたのか自分で売ってしまったのかわからないような場合は話をまともに聞いてくれないでしょう。そして携帯電話を取り返すという行為は警察の仕事ではないのです。警察の仕事は刑事罰に問われるような人物の確保です。

犯人を逮捕してもらいたい
先ほどの勘違いよりはマシですが、その犯人が利益を上げるような行為(携帯電話の転売で利益を上げること)に協力してしまったあなたにも罪の責任が及ぶことを理解しなければなりません。ある相談者さんが警察に相談したところ、

警察官「被害届を受理すればあなた自身が自主するということと同義になるよ」
と言われたそうです。確かに警察側からみればそうなります。

電話の契約を無かったことにしてもらいたい

企業と相談者さんの契約などに警察が介入することはほぼありません。それが刑事事件になるような場合であれば話は別ですが、身分証を持って携帯電話会社に自ら出向き、自分の意志で携帯電話を購入している以上、契約には何ら違和感はありません。そして警察はこうした民事事件には介入出来ません。民事不介入と呼ばれるものです。話をする相手が違うということになります。

では携帯電話買取詐欺にだまされてしまったらどうすべきなのか?
まず携帯電話会社に連絡をして契約した電話の停止手続きもしくは解約手続きを行います。本来であれば解約が好ましいですが解約違約金の支払いが発生してしまいますので当面、停止として端末料金だけを支払うことで負債額を小さくするような手続きを行います。SIMカードが手元に無い場合はこの手続きを一刻も早く行わなければなりません。
使える電話が犯罪グループにわたってしまえばどのように使われるかわからないからです。あなたの電話により発生した被害者が警察に被害届を提出、受理されれば一番最初に疑われるのは電話を提供したあなたになるのです。

次に闇金業者との関係を断ち切ることです。携帯電話買取詐欺の場合、仕事が完了したと思えば業者側から連絡をしなくなるという傾向がありますが詐欺に気付いた場合対応は異なります。
業者は詐欺をしかけている人物にギリギリまで携帯電話を買わせようとします。そのためには会社に電話して脅しをかけたり、キャンセルするならキャンセル費用をよこせなどと揺さぶりをかけてきます。これが結構しんどく、相手の言いなりになってしまう被害者さんが多いのも事実です。

関係の断ち切りにはまず警察に相談することが大切ですが詐欺の経緯が複雑なため先ほどの警察官のように被害者扱いしてもらえないことも多々あります。むしろほとんどのケースがそうだと言っても過言ではないかもしれません。
そこでこうした問題については弁護士事務所などの助けを借りることも視野に入れる必要があります。
法律事務所の多くは闇金問題についてはまともに取り合ってもらえません。しかしこうした問題を専門にあつかっている先生もおられます。専門性の強いジャンルの相談になりますから、闇金問題はこの問題について解決事例を持っている先生に頼ることが大切なのです。
多くの事務所は無料相談用を開設しておりますからそこに電話をかけてどうするべきか指示を仰ぐことが大切なのです。そのまま受任してもらってもよいと思います。

詐欺に騙されてしまいどうしたらよいのか全くわかないことから突飛な行動に出てしまうという心理はわかります。ただ、いたずらに警察に相談に行ってもあちらも困りますし印象もあまり良くはありません。やるべきことをしっかりと見据えることが大事なのです。
慌てる気持ちはわかりますが焦ってとんちんかんな行動に出ても問題は解決しません。冷静に行動をおこすことが必要とされているのです。

闇金にだまされないために

文末になりましたが闇金に騙されないようにするには、闇金の手口を熟知することなのです。今回長文となりましたのも相手の手口を出来るだけ詳しく書くことでリアルタイムに被害に遭いそうな方々に気づいていただきたいからです。
そして、大手キャッシング会社から借りられない場合は、単店舗系の小規模キャッシング業者でも借りられないことがほとんどであることも覚えておいてください。とても残念ではありますが実際には大手も小規模金融も審査基準に大きな違いは無いのです。
現実世界にはミナミの帝王のような人情肌の闇金業者もいなければ、ナニワ金融道のような小規模金融会社も無担保融資においては存在しないと言えます。それが現実です。
漫画はあくまでもエンタメであり物語なのです。
そして闇金ウシジマ君を読んで闇金からお金を借りてもよいと感じている方についても警鐘を鳴らしたいと思います。あのマンガは綿密な取材をもとに構成されていることは読んでいる私たちにもわかります。ただし、手口が古いのです。
いま闇金と言われている業者の大半は詐欺に移行しており小口融資などするよりも詐欺で銀行口座や携帯電話をだまし取り転売したい方が早いしお金になるということを知っているからです。なぜ犯罪グループが減少しないのか考えてください。

楽して一般社会よりも多くのお金を手に入れることが出来るから犯罪をするのです。

楽して稼げるほうに闇金業者が流れるのは自明の理なのです。そして闇金はどこまでいっても犯罪です。人間性が良いとか、悪いことをしてるのに心が綺麗だなどと言うことは無いのです。心がきれいなら人は犯罪を犯しません。人間性が良くてもやっていることが違法ならそれは犯罪です。
日本は法治国家です。
どんな理由があるにせよ法律を逸脱した行為をすれば処罰の対象になります。それが許されるのは映画の世界とマンガの世界だけなのかもしれません。

文末になりますが、闇金問題で気になる方は無料相談までお電話ください。私たちは常に新しい情報を収集し詐欺、闇金の手口を追いかけております。

補足として
最近では携帯電話やアイパッドのだまし取り詐欺について社会全体が関心を寄せ始めてきております。これらの悪質商法は「だまし取り詐欺」として認知されてきております。

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